自然科学の統計学 (基礎統計学)
上記画像クリックでアマゾンでの詳細情報

東京大学出版会から出版されている統計の本のレビューです

評価は星四つです

☆☆☆☆☆

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478022216/axaxawaw-22/ref=nosim/
自然科学・工学・医学等への応用をめざしつつ,さまざまな統計学的考え方を紹介し,その基礎をわかりやすく解説する.シリーズIと同様に,豊富に実際例を用いつつ,図表を多くとり入れて,視覚的にもわかりやすく統計学を親しみながら学べるよう編集した.


東京大学出版会から出版されている統計学入門の姉妹書です
統計学入門 (基礎統計学)
上記画像クリックでアマゾンでの詳細情報
以下のリンクは当ブログの統計学入門のレビューページです
統計学入門


統計学入門は統計学の基礎分野を扱った、文系にも易しい基礎本であるのに対して、この本は数式の難易度があがり、一回り読み込むのに骨が折れます

扱っている分野は以下の通りですね

1.確率の基礎『自然科学の統計学』
  1.1 いろいろな確率分布
  1.2 モーメント母関数の性質と応用
  1.3 中心極限定理
2.線形モデルと最小二乗法
  2.1 線形モデル
  2.2 最小二乗法
  2.3 最小二乗推定量の分散
  2.4 誤差分散?2の推定
  2.5 正規線形モデルと標本分布
  2.6 線形仮説の検定
  付.線形代数と統計学
3.実験データの分析
  3.1 2標本問題
  3.2 1元配置分散分析
  3.3 交互作用と要因実験
  3.4 2元配置分散分析
4.最尤法
  4.1 一般線形モデル
  4.2 最尤法
  4.3 データのもつ情報量
  4.4 最尤推定量の最適性
  4.5 検定の漸近論
5.適合度検定
  5.1 χ2適合度検定
  5.2 2つの二項分布の比較
  5.3 多項分布の一様性検定
  5.4 分割表の対称性の検定
  5.5 ブラッドリー・テリーのモデル
  5.6 3次元分割表と対数線形モデル
6.検定と標本の大きさ
  6.1 検定の検出力
  6.2 主な検定と検出力
  6.3 標本の大きさnの決定
  6.4 最強力検定
7.分布の仮定
  7.1 正規分布の仮定
  7.2 点推定
  7.3 仮説検定
  7.4 正規分布の仮定のチェック
8.質的データの統計的分析
  8.1 二値データ
  8.2 ロジット・モデルとプロビット・モデル
  8.3 確率の推定
  8.4 説明変数が2個以上の場合
9.ベイズ決定
  9.1 ベイズの定理
  9.2 事前確率分布と事後確率分布
  9.3 ベイズ推定
  9.4 統計的決定理論
  9.5 ベイズ判別
10.確立過程の基礎
  10.1 ランダム・ウォークと破産問題
  10.2 ブラウン運動
  10.3 マルコフ連鎖
  10.4 ポアソン過程と出生死滅過程
  10.5 確立過程の応用例
  付.差分方程式の解法
11.乱数の性質
  11.1 乱数の性質
  11.2 一様乱数の発生法
  11.3 正規乱数の発生法
  11.4 一般の乱数の発生法
  付.多次元疎結晶構造とスペクトル検定


以上のように統計学のより専門的な分野を扱ってるんですね

基礎よりも一歩上の知識を幅広く扱っているのがこの本の良いところで、問題点でもあります

統計学がどういう分野なのかを全体を見通すことができるんです

その一方で、参考書の中の一章として扱うには少々重い分野も普通に含まれているのでどうしても、この本一冊で、収録してる分野の学習を終えることは難しいですね

統計学入門を終えた人が、素早く、統計学の一歩上の知識を一望するのに非常に役に立つんですね

使用期間は長くても二ヶ月くらいにとどめて、それぞれの分野の専門書に進めたほうが勉強は捗りますね